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2016年9月11日〜2016年9月17日


9月11日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年9月11日】
 スケジュール確認や近況確認で、知り合いのウェブページを見ていて知った大東楽器の音楽教室に通う生徒によるバンド演奏発表会を見に、梅田・お初天神通りの「amホール」に。前に行ったのがいつだったか思い出せないし、前に行ったのも社会人バンドコンテストに仕事関係の知り合いが出ているから、だったような気もする。普段は縁がないライヴハウス。先日、退職した元同僚が秋にそういうのに出ると言ってた、と思って。それをなぜ知り合いのページで知るのかと言えば、その教室の講師の中に知り合いが居るのです。なんで「実は共通の知り合いが居る」ということがわかったのだったか。やっぱり仕事の種類からだったか。「仕事は何を」「そういう仕事をしてる知り合いが居るよ」、という。

 元同僚が出演するのかどうか、出演するとしていつなのかわからなかったので、とりあえず、最初から行ってみることに。ちょっと遅れたけど、最初のバンドの演奏中には間に合った。受付で当日でと告げると、そんなひとが居るのかというような(推測)対応をされる。それはそうか。タイムテーブルを見る、12時から19時くらいまでの間、三部に分かれていて、元同僚は二部と三部、講師をしている知り合いは三部に出演する。出られるなら二部が始まるまで食事に出ようかとも考えたけど、せっかくなので、聞くことにした。
 個人レッスンを受けているひとたちにバンドを経験する機会を提供することを目的に企画されているようで、この日のために組んで練習したというバンドが1曲ずつ演奏していく。レッスンを受けているひとたちなので、バンドを組んだり、ステージに出るのが初めてで慣れていないということを除けば、基本的にはうまいひとたちばかり。J-POP率高し。バンドスコアがあることが前提なのでレパートリーは限られてくる、とは幕間で話した元同僚の話。それに、一時的に組むひとたちの間でのコンセンサスとして、となると、無茶は言えない。
 元同僚はジャーニーの "Don't Stop Believin'" でヴォーカルを、プリンセス・プリンセスの「M」でアコギとコーラスを担当していた。知り合いはゴスペルクワイアのバックでファンキーなシンセを弾いていた。J-POP、ハードロック、ジャズスタンダード(少し)、フュージョン(少し)、ゴスペルクワイアとふだん聞かない音楽をまとめて聞いた一日になりました。ゴスペルクワイアに若干あるものの、ファンキーなR&Bをやるバンドがなかったのが意外だったけど。文化祭の視聴覚教室感満載。ちょうど、音楽好きの小説家のエッセイで、文化祭に出るあたりを読んでいたのでシンクロしつつ。スタッフのお姉さんがたの司会も楽しかった。演奏後にひとりひとり感想を聞くのだけど、「緊張しました、間違えました、良かったです、は禁止」と無茶ぶりしたり。聞いてるほうがどう言うたらええものか考えてしもたよ。

 あと数曲あったけど、18時をまわっていたこともあり、先に失礼させてもらいました。

9月12日(月)
[一回休み]
9月13日(火)
[一回休み]
9月14日(水)
[一回休み]
9月15日(木)
[一回休み]
9月16日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2016年9月16日】
 台風の影響で毎日雨が降るかもしれない、と傘をもって出ては、行き帰りには降らず、ささずにもちかえった一週間。水曜日は、仕事帰りに途中下車して、阪急「茨木市駅」近くの「D bar」に、中井大介さんと木下弦二さんのライヴを見に。駅に着いたら、雨がぱらついてきたので、いよいよ来たかと開場時刻すぐに店に駆け込んだら、まだ誰も来ていなかった。中井大介さんの新作『somewhere』発売記念ツアーのひとつで、東京ローカル・ホンクの木下弦二さんのソロも見たことがなかったので、よい組み合わせだと思い。

 木下弦二さんは太陽の塔の胴体をあしらったTシャツで演奏。アコースティックギター一本で、生活の風景が見える歌をつぶやくように歌われるのだけど、一転してホンクのときと同じようにソロも展開する。そのコントラストにわくわくさせられる。ていねいに、真摯に作られているのだけど、どこか照れがあるからだと思う。2月にソロアルバム『natural fool』を出されていて、4月に同じ組み合わせで大阪でもライヴがあったのだけど、その日は気分がすぐれず、行かなかったので、個人的に、ダブルレコ発のようなおもむきもありました。

 中井大介さんの歌は、とても洗練されていて、『somewhere』の帯に寄せられたチチ松村さんのコメントにあるとおりの「男前ソング」なのだけど、木下弦二さんとはまた別の生活の風景を感じさせるところがよいなと思います。英語のcityとtownは規模の違いのようだけど、出かけていく都会(シティ)の歌というよりは、歩いていける範囲の、生活の場がある町(タウン)の歌というかんじがする。それでいながら、そこから見えている風景の向こうにのがれていくところがあって、その広がりが気持ちよい。何曲かで、パイレーツ・カヌーの河野沙羅さんが客演。最後はセルフアンコールということで、木下弦二さんと三人でそれぞれの曲を1曲ずつ。
 中井大介さんの『somewhere』と木下弦二さんの『natural fool』を買って、帰宅。

 木曜日は、ひさしぶりに、自己都合でも家の都合でも仕事場の都合でもなく、振り替えで休み。水曜日に来るはずの材料が来なかったので、どうしたものかと思いながら。午前中はいつもの土日と同じく、家事。午後も…いつもの土日と同じく、起き上がれませんでした。なんとかよろよろと起き上がって、ひさしぶりの京都に。「誠光社」にようやく。河原町通を北上して、丸太町の「びっくりドンキー」のある角を向井に渡り、路地に入って少し歩いたところ。思ったよりも広かった。店内ではずっとイ・ランがかかっていた。細馬宏通さんの『介護するからだ』とブレイディみかこ『ザ・レフト UK左翼セレブ列伝』を購入。細野晴臣さんのソロコンサートパンフレットは『HOSONO HOUSE』メモが面白そうだったけど、2枚組アルバムくらいの値段だったので、見送り。

 「100000tアローントコ」もひさしぶり。見だすと時間がかかる店なので、時間がないときは足を向けないのだけど、通りがかったので、つい。漫画を1冊、LPを1枚、CDを1枚。
 手塚治虫『アトム今昔物語 復刻版』は2004年12月刊。一冊本で出ていることも知らなかったけれど、どっちの版かなとめくってみたところ、驚いたことに新聞連載を「起し」たものだった。という訳で買うことに。マイ・ファースト・テヅカ。うちでは掲載紙をとっていたけれど、新聞連載はほとんど覚えていないけれど、小学生のときに初めて買ってもらった漫画の単行本が「ゴールデンコミックス」版の「中」巻だった。その後、こづかいの範囲で漫画本を買うようになった頃に発売された「サンコミックス」版で「上」「下」巻を買った。のちに古本で「中」も買ったのだけど、びっくりしたのはあちこちに手が加えられていたこと。中でも、初めて市民権を得たロボットがたどった結果を描いた「ベイリーの惨劇」の章。トビオ(のちのアトム)の製作に出資する代わりに一日借り受けたアメリカ在住の富豪がベイリーを引き合わせるのだけど、市民権を得たベイリーに反対する人間たちの行動を予感しながら、元は手を出さずに記憶せよと言い、改訂版ではベイリーを助けてやってくれと言うのだ。実際には目の前でなすすべもなくベイリーは破壊されてしまうのだけど、「助ける」こともむずかしかっただろう。人間を傷つけることになっただろうし、トビオ自身が破壊される可能性もあった。だから、この改訂には違和感を持っていた。
 LPは、ツトム・ヤマシタズ・イースト・ウィンド "FREEDOM IS FRIGHTENING"。『地球に落ちて来た男』で使われている "Wind Words" が収録されているということもあるけれど、ソウル・バスによるカバーデザインが大好きなので。CDはポール・マッカートニー&ウイングス "BAND ON THE RUN: 25th Annivsersary Edition"。これは実はいちばん新しい版と間違えてしまったのだけど、なかなか手に入れることに踏み切れなかったので、いいか。踏み切れなかったのは、「中学生のときにYやNと分担して買っていた頃のNが分担していたもの」だから。いまだにうっすらと心理的には「ダブる」ことへの抵抗があって。本人たちが語るドキュメンタリー風のボーナスディスクが付いている。

 夜は阪急烏丸駅近くの「京都芸術センター」での影の色彩ワヤンプロジェクトによる影絵芝居『夜叉ヶ池』に。明倫小跡だったのか。最初に、音響担当の江南泰佐さん司会によるトークがあり、インスタレーションと音楽の岩井美佳さん、音楽の西田有里さんからプロジェクトやガムランについて説明があった。
 染色された布を重ねたり、光を当てることで、いろんな色や模様が作り出される中、アナント・ウィチャクソノさんのインドネシア語による影絵芝居と、小川雅美さんと月原豊さんの日本語の語りに、Tidak Apa Apa+岩井さんの演奏による音楽が重なりあって、物語が進む。余韻のある音と揺れる布、インドネシア語と日本語の語りと歌など重なりあう中から、登場人物たちが浮かんでくるようだった。状況の移り変わりにつれて、表情も変わる。音に包まれて光と水が呼応して、とてもよかった。物語の大団円にはきれいなお月さんが登場したのだけど、外に出ても、満月に近い月がちらっと顔を覗かせていた。

 金曜日、休んでいる間に机の上に積まれていると思った材料はそれほどでもなく、突発的に頼まれたことなどやりながら、80%くらいは。帰りは、前日、前々日と同じ時刻、でした。

 いろいろ考えたり調べたりすることなく夜は眠ってしまうことが多く、すっかり週末に記録として書いているだけになっていますが、ニフティの都合でいままでのサーバーが9月いっぱいということで、ニフティはニフティですが、引っ越すことに。全体的にリニューアルしようかとも思ったけど、日頃書けてないのに、そんなことをする余裕はなく、ここをメインにしたほかはそのままスライドです。

9月17日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年9月17日】
 新たに手に入れた読むもの、聞くものを読んだり、聞いたりする日。消化とは言わない。強要されてはいないし、義務でもないから。自虐であることはわかるけれど、知らんがなと言える領域の話だから。
 読んだり、聞いたりしただけで消化できるとは限らないという言いかたもできそう。

 さらに、郵便受けに、イ・ラン『神様ごっこ』が届いていた。レーベル通販をお願いしていたのだけど、ちょうど特典のひとつであるインタビューやレビュー、コメントを掲載した小冊子が在庫切れになったというレーベルのツイートを見たところだったので、どうかなと思ったら、付いていた。セーフ。気にはなっているけれど、よく知らないひとなので、そうしたものはあるとありがたい。小冊子は、特約店でも付いているそうなので、あとは店頭在庫のみということになる。レーベル通販ではアルバム未収録曲入りCD-Rも特典になっていて、それも付いていた。

 イ・ランさんは最初、漫画が添付されたツイートを見かけて知った。日本語もできるひとのようで、日本語だとダジャレになる名前にひっかけたギャグを書いたりしていた。音楽もやっているらしい、ラップグループで踊ったりしているらしいという話を聞いたり見たりして、はっちゃけたひとやなと気になってた。
 『神様ごっこ』は、韓国では冊子として発売され、掲載されているダウンロードコードで音を聞くようになっているらしい。日本盤は、冊子の翻訳とCDのセットになっている。冊子は、歌の背景になっている出来事を綴ったエッセイが掲載されていて、途中に歌詞が登場する。読んでいると、ライヴに居合わせているようなかんじがする。曲順どおりではないのだけど。
 という訳で、自分のために、歌詞が掲載されているページをメモ。

1. 神様ごっこ (P.40)
2. 家族を探して (P.44)
3. 物語の中へ (P.51)
4. 悲しく腹が立つ (P.6)
5. 笑え、ユーモアに (P.56)
6. 東京の友達 (P.25)
7. 平凡な人 (P.16)
8. 世界中の人々が私を憎みはじめた (P.63)
9. 私はなんで知っているのですか (P.35)
10. 良い知らせ、悪い知らせ (P.13)


 声の出しかたというか、ふっきる強さと可憐さをあわせもっている点で、フランス・ギャルを連想した。静かなロック「悲しく腹が立つ」とはっちゃけた「笑え、ユーモアに」の流れがいいな。ざっくりした感触のフォークソングもいい。冊子には「笑え、ユーモアに」の歌われていない歌詞が掲載されているのだけど、youtubeで探してみたら、アルバムには入っていない歌詞のある「笑え、ユーモアに」のライヴ映像があった。冊子に掲載されている詞だろうか。
 Winodws Media Playerの曲名はハングルも受け付けられるので、ハングルと日本語の併記にして、取り込みもしておいた。韓国語はわからないけれど、検索をかけるときにはハングル表記もあったほうがいいので。

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2016 Kijima, Hebon-shiki