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2016年5月1日〜2016年5月7日


5月1日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年5月1日】
 昼前に出て、芦屋に。阪急「芦屋川駅」近くのコンビニでは、おにぎり、サンドイッチ類が売り切れていた。JR「芦屋駅」前に着いたとき、まだ少し開演時刻まであったので、ひさしぶりに「ミスタードーナッツ」に。デイヴ・スチュワート&バーバラ・ガスキン "It's My Party" がかかっていたので、職場最寄駅近くや自宅近辺からミスドが撤退して以来、ひさしぶりに携帯電話で「店内BGM情報」ページを開いたら、無くなっていた。店のページから入り直したら、PDFによる提供になっていて、ガラパゴス仕様のケータイでは見られないのであった。

 13時から「山村サロン」での「阪神淡路大震災と東日本大震災からの復興を支援するチャリティコンサート」。LAFMのひとが音を担当したジェニー・ゲイサーの短編映画2本の上映に続いて、.es(ドット・エス)、石上和也さん、頭士奈生樹さんの演奏。ピアノとサックスのデュオ、.esは、前に聞いたときは絞り出すようなサックスのダイナミックな音に驚かされたけど、きょうはピアノのくっきりとした音が印象的だった。頭士奈生樹さん、時間がかかるようになった、と話されていた。探し当てあぐねているようにも聞こえたけれど、そのことと関係しているかどうか。
 「山村サロン」は今年30周年で、それを区切りとして、8月に閉められるそうです。年一回、このチャリティコンサートにしか来ていないけれど、「念押し」のように山村さんの話を聞いていた。例年は、あしなが育英会に寄付していたそうだけど、今年は日本赤十字社を通じて、熊本を中心とする震災の支援に寄付されるとのこと。

 チャリティと広告はセットのようになっているけれど、街頭募金の役割はどうなっているだろう。悪い奴の騙りに牽制されていて、街頭募金に応じる気持ちが湧かない。素性の知れぬ、知らないひとたちに預けることができなくなった。それなら、直接口座に振り込むほうがよい。あるいは、きょうのように、知ってるひとたちに預ける。広告にはなると思うけど、それなら、口座番号を書いた紙を配ったほうがいいような気もしている。募金をしているひとたちと交流する必要はないし。それでも、やはり街頭募金のほうが効果があるのであれば、わたしの見込み違いということになるのだけど。

 芦屋からそれほどかからないということがわかり、チャリティコンサートが終わってから、伊丹に移動。「伊丹市立美術館」での「エドワード・ゴーリーの優雅な秘密展」を見に。伊丹はひさしぶり。JR伊丹駅に隣接して巨大なイオンができていて、改札を出るとそっちに誘導されるような作りになっていて、方角感覚が狂わされてしまった(という言い訳)。駅に掲示されていた近辺地図にも、美術館は見当たらず。
 本と原画を中心に、母親宛のイラストが描かれた封筒やポスター、パンフレットなどの仕事が展示されていた。絵はほとんど本になったものと同じ寸法。言葉の翻訳はあったりなかったりしたのが、少し残念。ニューヨーク・シティバレエ団のための仕事が面白かった。そのニューヨークシティバレエ団のための仕事が展示された部屋は、物販コーナーの脇にあって、しばらくそこに居たのだけど、あまりひとが入ってこなかった。物販コーナーの向こうに出口が明示されていなくて、引き返すかんじになっていたので、その部屋に気付かずに戻ってしまうひとも結構居たのではないか。

5月2日(月)
[一回休み]
5月3日(火)
[一回休み]
5月4日(水) 【▼ぐりぐらメモ/2016年5月4日】
 夜中には激しい雨が降っていたけど、朝には晴れた。制限解除、で、午後1時から枚方市の「星ヶ丘洋裁学校」での「木漏れ日フォークの丘」を見に行った。行程は半人力で。地図の上ではつながっていても、まっすぐには行けなかったり、高低差があったりして、迷いつつだったけど、知らない道を行くのは連休感があって楽しい。前に来たときは雨だったので、晴れて(ダブルミーニング)校舎裏の原っぱで過ごすことができて、よかった。草原で、クロエ×バチカデュオ、丘本浩一さん、木造校舎の教室で Mujika Easel×秦進一デュオを、ざわざわとした風の音と共に。

 クロエ×バチカデュオは、ゆるやかなトランペットが、ギターで奏でられる歌を外に連れ出すようなかんじでした。バチカさんは歌うときはベースを弾きながら。くっきりしたメロディの歌もあって、それもよかった。丘本浩一さんの歌は初めて聞いたけど、コードにも声にも落ち着いてしまうことから逃れる開放感がありました。辰巳加奈さんのソロプロジェクトであるMujika Easelはバイオリン、ビオラの秦進一さんと。音と歌が風通しのよい部屋でふわっとふくらむように響いていました。

 月曜日は休日出勤、ではないけれど、ほぼ。いっそ一人なら気が楽だったのだけど、気が利かないのがもう一人居て。周囲に誰も居ないというのにまったく眠くならなかったのはそのせいではないと思うけど。わるいやつじゃない、とは思うし、なんも考えていない訳ではない、のだろうけど、機転がきかないので、なにも考えていないのに等しくて。可愛くない子供、で。

5月5日(木) 【▼ぐりぐらメモ/2016年5月5日】
 明日のための買い物を早めに済ませてから、豊中市「服部緑地公園野外音楽堂」へ。開場から15分経っていたので、もう列は無くなっている頃かと思っていたのだけど、まだ続いていた。最後尾に並ぶと、「ちょうど二千人目」と。いや、特に何も特典はないのだが。

 会場に入ってすぐに「ビレッジプレス」ブースへ。五十嵐編集長にご挨拶して、「雲遊天下」124号を受け取るとともに、山川直人『日常の椅子 菅原克己の風景』と村元武『プレイガイドジャーナルへの道 1968〜1973 大阪労音 - フォークリポート - プレイガイドジャーナル』(東方出版)を購入。

 きょうのめあては、小川美潮 4 to 3 Bandと小谷美紗子さんだったのだけど、聞いていてしんどくなる出演者は少なくて、一度も外に避難することなく、ずっと聞いていた。
 以下、メモ。●ROBOWは、ラグタイム風のピアノがベースとあいまって、しゃきっとしたリズムを奏でていて、歌がもたれることがなかった。中川五郎さんが飛び入り参加。●小野一穂さんは鋭角的なギターがよかった。「雲遊天下」のインタビューを読んで、フォークの文脈でないところに居たことが念頭にあったからかも。手拍子じゃなく、足踏みでというのも面白かった。●小川美潮 4 to 3 Bandは「デンキ」でスタートしたけど、きょうは新しい曲が3曲。それと、金子マリさんゲストで「Dear Mr. Optimist」。美潮さんの歌の中でも生々しい感触のある歌だけど、相手が金子マリさんだと楽しいかんじで聞けた。新曲は、今の風潮に竿射す言葉が聞けるものでどれもよかったのだけど、特に「Little Queen」は内なる自分をめぐる物語と混沌とした部分と突き抜けた部分が呼応していて、初めて聞いたのにぐっときた。と思っていたら、物販コーナーに新しいCD-R『LIVE マワリテメグルウタヤコト』があり、新曲が3曲とも収録されていたので、買いました。●金子マリ presents Fifth Element Will。森園勝敏さん、窪田晴男さん、石井為人さんの隙のないアンサンブルのせいか、アーシーというよりもスペイシー。金子マリさんや北京一さんの歌もその中で自在に動き回るかんじがして、思いの外、よかった。●リーテソン&神戸スターダストオールスターズ。ジャズっぽいアレンジで洒脱な歌を聞かせて、意外でした。小坂忠を思い出した。●豊田勇造さんの歌もひさしぶりにちゃんと聞いたけど、とてもていねいで、かつ伸びやかな歌でした。●小谷美紗子さん、自分に厳しい内容の歌なので、19回目の「春一番」というのに、聞いているとアウェー感がして、はらはらしてしまう。ライヴだと、レコードよりも、声が前に出てくるし。老婆心、というか老爺心以外の何者でもないのだが。●最後は、中川五郎さんのバンド、To Tell The Truth。「ラヴ・ピース・アンド・アンダースタンディング」や「腰まで泥まみれ」をハードロックな音で演奏。シャウトしないだけで。特にセンチメンタルシティロマンスの中野督夫さんのギターがすごかった。オリジナル曲の共作者を、と招き入れたのが、なんとパンタさん。そう言われないとわからなかった。声を聞いてやっと(左利きであることを初めて知った)。そのままパンタさんも参加して、カオリーニョ藤原さんやセンチの細井豊さんらが次第に加わって、大団円。

 帰りは、歩いて阪急「千里山駅」まで。駅前は工事中だった。「阪急オアシス」と「大丸ピーコック」の他は居酒屋と予備校。駅から少し離れたファストフード店で一服してから、帰路についた。
 帰りの電車の中で、「雲遊天下」124号を読む。特集は「あの場所」。起点や転機になった場所について、大竹昭子さん、保利透さん、AZUMIさん、きょうのハルイチに出てらした小川美潮さん、小野一穂さん、良元優作さんらが寄稿している。小川美潮さんは『4 to 3』に向かう転機となった与那国島について。渡部幻さんの連載は、「キネマ旬報」の白井佳夫氏について。よく読んでいた頃の「だっくす」「ぱふ」に白井氏はよく登場していて、「キネ旬」は読んでいなかったのに、馴染み深い名前になっている。中川五郎さんも、今回のハルイチに寄せて、To Tell The Truthと80年代にやってらしたバンド、XOXOについて。次回はキンクスについて書かれるらしい。楽しみ。カニコーセン氏(身の回りで起きた事件について)、吉上恭太さん(今回は田口史人さんの『二〇一二』とTEASI『SANDO』)、山川直人さん(『日常の椅子』の番外編のような菅原克己の詩を元にした漫画作品)の新連載が始まっている。きじまさんは、映画『ハッピーアワー』について。書き始めたら、本論だけで規定文字数に達してしまった。

 帰宅すると、郵便受けに、頼んでいたCDが届いていた。マックス・ナグル Max Nagl "THE EVIL GARDEN: Drawings and words by Edward Gorey"。エドワード・ゴーリー展を見てから、ゴーリーを知るきっかけになったものの手に入れ損なっているマイケル・マントラーのアルバムのことなど調べていたのだけど、「Discogs」サイトで見る限り(このサイトは投稿制で作られているので弱い分野もあるので万全ではないけれど、もちろん個人が持てる情報よりはるかに多い)、音楽関連作品はとても少ない。アルバムカバーにイラストがオファーされそうな気がするけれど、断っていたのだろうか。朗読作品を除くとほんの数枚になってしまう。面白いのが、ザ・フリーズで、Youtubeで試聴してみたけど、ごりごりのパンクバンド。接点はと言えば、ゴーリーが暮していたマサチューセッツ州ケープ・コッドで活動していたことくらい。地元のバンドだから、かなぁ。サックス奏者マックス・ナグルのアルバムは、ゴーリーの死後に制作されたもので、マイケル・マントラー同様、ゴーリー作品の言葉をモチーフに独自に作曲し、演奏している。ナグルさんは知らなかったのだけど、ロル・コクスヒルとノエル・アクショテが参加していて、ヴォーカルをジュリー・ティペットが担当していることから、聞いてみようと思った次第。ロルさんは朗読やヴォーカルも。なんとなくロルさんがとぼけた味担当、ノエルさんが不穏な味担当というかんじです。ブックレットが取り付けられた薄いボール紙で作られた二つ折りジャケットが、二枚の厚手のボール紙で挟まれているという見たことがない仕様のパッケージ。

5月6日(金)
[一回休み]
5月7日(土)
[一回休み]

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2016 Kijima, Hebon-shiki