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2016年3月20日〜2016年3月26日


3月20日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年3月20日】
 買い物、お彼岸、のち、神戸・元町に。本当はその前に地域の活動があったのだけど、告知された開始時刻には終わっているという謎の慣例に馴染めず。そう言えば、初めて勤めた会社では朝、二人ずつ当番で職場の掃除をすることになっていたのだけど、相手が始業時刻の2時間前に来て先に終わらせ、イヤミを言ってくるという性癖のひとで困った。

 「元町映画館」で菊地健雄監督『ディアー・ディアー』を見る。予告編を見て、やさぐれた中村ゆりさんを見たいと思っていた。大阪での上映が知らないうちに(アンテナ不足)終わっていて残念に思っていたら、京都と神戸で上映していて。「京都みなみ会館」に行くつもりでいたのだけど、上映が18時45分から20時35分。遅く帰ることをできれば避けたいという気持ちがまだあり、「元町映画館」のほうを確認したら、14時40分から16時30分だったので、急遽こちらに(所要時間はほぼ同じ)。映画の公式サイトは、ほぼ劇場情報しか見てないな。

 子供の頃に「幻のシカ」を目撃し、町おこしに担ぎ上げられるも、実証に至らず、嘘つき扱いされ、鬱屈を抱えて成長した兄弟と妹。地元を離れていた弟と妹が、専制的な父親の危篤の知らせに戻ってくる。しがらみの中でにっちもさっちも行かなくなっている兄、心を病み、何をやってもやったらあかんことをやってしまう弟、彼らから逃れるように奔放にふるまっているようで流されがちな妹。それぞれが蒔いた種の顛末が描かれる。それぞれに正直すぎて、滑稽だけど、笑えないコメディ。中村ゆり扮する顕子(と書くことは帰ってきてから知った)のやさぐれ感、色っぽさ、危険な可愛らしさがよかった。顕子の高校時代の友人で恋敵であった清美役のひと、どこかで最近見たような、と思って調べてみたら、テレビで見た『ペコロスの母に会いに行く』の介護施設職員のひとでした。
 エンディングに流れる主題歌は、森は生きている「気まぐれな朝」。作中の音楽も、森は生きているの岡田拓郎氏が担当。時折、ピンク・フロイドの『谷』の音楽を思わせた。

 帰りに、いい音楽がかかっている古本屋ということで教えてもらった「1003(せんさん)」に寄ってみた。訊ねなかったけど、ジー・サティスファクションを思わせるゆるやかなヒップホップがかかっていた。昔友人に借りて読んだだけの山本精一さんの『ギンガ』1999年版を買う。さらに、「うみねこ堂書林」にも寄ったけど、棚と棚の間が狭い上に未整理本が通路に積んであり、他にお客さんがいると、もう見られない、のでちゃんと見ることはあきらめた。

 梅田に戻って、眼鏡店に。火曜日に、ゆるんでいたネジが外れて、つる(テンプルというそう。ボクシング用語にもあるこめかみに由来するのかな)が取れてしまって。クリップをペンチで切って曲げて応急処置して使っていたのだけど、ゆるゆるすぎて、集中できず困っていた。ネジ代170円。
 このところ、通勤時の電車の中では本を読むために老眼鏡をずっとかけているのだけど、そうすると、近くのものがくっきり見えすぎて、同じ時刻でよく見かける女の子たちの顔がよりくっきり見えて、どきりとしてしまって、困ります。

3月21日(月) 【▼ぐりぐらメモ/2016年3月21日】
 昼までに家事が片付いたので、午後、といっても、もたもたしていたので、着いたのは夕方だけど、ひさしぶりに京都に。ほぼ「ホホホ座」に買い物にでかけた、と言ってよい。田口史人さんの『二〇一二』、柴田聡子インタビュー、『ハッピーアワー』濱口竜介監督インタビューが掲載されている雑誌「なnD」4号、京都の美容室「bizou(ビズ)」の開店16周年記念のCD『bizou 16ans: Le 16eme CD de memoire commemoratif』、といつものようにチラシとフリーペーパーをいくつか。二階の古本コーナーでは迷った末に何も買わず。
 市バスで移動したのだけど、1/3は海外からの観光客。道を訊かれたら答えられるくらいではありたいと思います。
 京都レコードまつり主催の限定ショップが出ているというので行ってみた、けど、見当たらない。東急ハンズとロフトを間違えてた。しかし、その時点では情報を確認できず、そのまま帰宅。スーパーが閉まる前に帰り着く癖が付いてるなぁ。

 「雲遊天下」123号が届きました。同時に起こっていた体験したことと体験していないことを並べつつ、関西のあちらこちらに触れるという目論見のわたしの連載は、安治川沿いにあった「FLOAT」について、です。行くことがなかった夏の「FLOAT」を思っています。

3月22日(火)
[一回休み]
3月23日(水)
[一回休み]
3月24日(木)
[一回休み]
3月25日(金)
[一回休み]
3月26日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年3月26日】
 母のリハビリは順調、かな。いちばん近くのスーパーなら行って来れるようになった。けど、そこは近辺ではいちばん高めらしく、まとまった買い物は、わたしが仕事帰りに家から少し遠いスーパーに寄って、している。閉店に間に合うようにだし、母は二階から一階に移した自室に早いうちに引き上げるので、家事はあっても、いままでより、夜の時間は空いている。なのだが、これといって何をするという訳でもなく、やっぱり早くに眠ってしまったり、ぼんやりと過ごしてしまったりしている。

 テレビは音楽番組や映画以外では唯一続けて見ていた『刑事フォイル Foyle's War』が終了。シリーズ全話の半分、1942年8月まで。物語としては、二人の部下が転機を迎えたところで終えている。続きの放映はあるだろうか。次はまた韓国の時代劇ドラマのようなので、同じ枠なら早くて一年後ということになる。『ドクター・フー』の続きもやってないので、もやもや。
 『刑事フォイル』は、戦時中のイギリスの郊外都市で起こる殺人事件を描いている。戦時中の事情や問題が絡んでいるかのように見えて、事件そのものはいつの世にもあり得る人間関係に起因することが多い。戦時中の事情や問題は、真相を見誤らせたり、操作を阻むものとして描かれる。軍との関係や戦争心理に陥っている人々の行動など。イギリス人にとってのアメリカの参戦や疎開など、言われてみればそうだ、同じだと思えることもしばしば。

 きょうは昼から出かけるつもりでいて、午前中に用事を済ませていたのに、ぼんやりしてしまい、夕方になってしまった。のだけど、早めに夕食を済ませて、出かけることにした。欧米か。電車一本で行ける阪急水無瀬駅前「長谷川書店」での「キラナコラナと音楽会」に。本に関係したイベントではなく、「長谷川書店」の元店員、miraihajime氏の企画による音楽と映像の夕べ。
 バチカさんが参加されている安田莉沙トリオは名前をよく見るので聞いてみたかった。いままでと楽器編成を変えたそう。ギターだった貝つぶ氏は電子音、ドラムだったバチカさんはパーカッションと引き続きトランペット(も吹かはるのですね)、で、安田さんはキーボードからギターに。初めてなので、いままでとの違いはわからないけれど、消え入りそうな声、やわらかな曲なのに、マイウェイというか、譲らない姿勢が伝わってきて、面白かった。後半で演奏された、ギターを始めたことでどんどん出きてきたという新曲がよかった。
 ギター弾き語りのumamo氏は、お名前は覚えていなかったけど、演奏は見たことがあった。話す様子からは強気なかんじのキャラクターがうかがえたけど、ギターの弾き語りは、控えめでやさしいタッチの曲でした。
 最後に、セネガルのコーヒー店「カフェ・トゥーバ」に集うひとたちを記録した桂悠介氏の映像。準備をしながら、急に話し始めたので、映像の中の声なのか実際の声なのかわからず、とまどった。実際の声だったのだけど、旅の移動中に知り合ったセネガルからの旅行者に聞かされた神を讃える歌に興味を持ち、現地でその歌を中心にした生活や集会を撮影してきたのだそう。パワフルでしなやかな歌へのセネガルの若者たちの熱の入れように驚く。映像の中で登場したコーヒーも試飲させてもらった。映像ではものすごく大量の砂糖と混ぜていたけれど、試飲したものはそこは抑えてあったらしい。コーヒー豆ではなく、いろいろな実を焙煎していた。
 終わってから、本が買えるかなと思ったけれど、お客さんたちが立ち去りがたく話をされていたので、見て回れず、かなわず、で失礼させてもらいました。

 寝る前に録画してあった映画『ローラーガールズ・ダイアリー』を。ローラーゲームの選手が主人公ということで、見てみたのだけど、70年代が舞台ではなく、リバイバルしているという今のテキサス州オースティンを舞台。信仰に厚く保守的な価値観の家に育った女の子が冒険を試みる青春映画でした。ダニエル・ジョンストンの絵が描かれた壁が出てきたり、ブリーダーズが試合中のBGMに流れたり。エンドタイトルの最後には、ハー・マー・スーパースターとアダム・グリーンによる "Never My Love" のカバー。

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2016 Kijima, Hebon-shiki