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2016年3月13日〜2016年3月19日


3月13日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年3月13日】
 昼から家族行事。快気祝いをするにはまだ少しかかりそうだけど。

 夕方、少しだけ梅田に。茶屋町の黄赤袋の店にアテが1枚あったのだけど、なくなっていた。残念。その他にもあれば、と思っていたものがことごとくない。しかたがなく、黒赤袋の店に移動。ここでも、お膝元のはずの盤が無い。同じシリーズで3枚同時発売になったもののうち1枚か2枚買おうと思ったのだけど、3枚同時購入で特典付きとあるのに、わたしがそのうちの1枚か2枚を買うことでそれをあてにして来店するひとが居たら申し訳なく、戻した。あれば、のうちの1枚のみ発見したので、買いました。エミット・ローズの "RAINBOW ENDS"。

 エミット・ローズの43年ぶりの新作、と言っても、聞き始めたのは、シー・フォー・マイルズからのベスト盤 "FRESH AS A DAISY"(1986年発売)からなので、43年ぶりというかんじではないのだけど、4枚のアルバムとメリーゴーラウンドのアルバムには親しんでいた。かつて、ひとり多重録音で仕上げられていたサウンドは、基本的にはバンドによるもので、エミット・ローズはほぼヴォーカルのみ、ときにギターがうるさく感じるところもあるけれど、すべての音が降り積もっていく穏やかさと対比するような躍動感のあるメロディやハーモニーがいいなと思う。

3月14日(月)
[一回休み]
3月15日(火)
[一回休み]
3月16日(水)
[一回休み]
3月17日(木)
[一回休み]
3月18日(金)
[一回休み]
3月19日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年3月19日】
 足が弱まるのにつれて、休みの日の昼に、母親と食べに行く範囲が狭まってきていたのだけど、その中で唯一行っていたラーメン店が3月いっぱいで閉店になる。また食べに行こう、ということがリハビリの励みになると思っていたけれど、閉店の噂を聞いて、入院中はその話ができなかった(母の入院中にひとりで食べに行くこともしなかった。いつも二人なのに一人で行ったら不審に思われるかなと考え過ぎて)。先週、弟一家が来たときに、お昼どうしようかという話になったときに話したけれど、手術前の診察でいろいろ食べるものについて控えたほうがよいという指摘があったこともあり、あきらめたみたい。きょう、買い物の帰りに回り道して、前を通ったら、行列ができていた。
 閉店と言えば、もうひとつ、近所の安売りスーパーがつぶれて、すでに更地になっていた。こっちは、角にあるのをいいことに、店の前の道路の2/3を駐輪場のように使っている(放任している)ことを苦々しく思っていたので、何の感慨もないけれど。

 通勤読書は、68年の話あたりから急に進まなくなった片岡義男『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。1960-1973』と水曜日に鍼灸院に行く前に寄った駅前の書店(安田謙一さんの『神戸、書いてどうなるのか』が旅行本コーナーにあった!)で見かけて買ったウェルズ恵子『アメリカを歌で知る』(祥伝社新書)。
 片岡義男『コーヒーにドーナツ盤、黒いニットのタイ。1960-1973』は、片岡さんの大学卒業から短い就職、テディ片岡としてのライター時代をモデルにした自伝的小説、とのこと。『歌謡曲が聴こえる』と重なる風景もある。喫茶店のはしごをしながら原稿を書き、店で、はしごの途中で寄ったレコード店で、行く先々で耳にするレコードのことを気にかけている。途中で進まなくなったのは、登場する女性がさっきの話の人と同一人物なのかどうかというようなことが気になって、読み返しているうちに、どこまで読んだかわからなくなってしまったから。気にしなくてよかったのだが。
 ウェルズ恵子『アメリカを歌で知る』は、アメリカのフォークソングについての教科書といってよい一編。ホーボー、船乗り、鯨捕り、ゴールドラッシュ、鉄道、ブルーズ、炭鉱といったフォークソングの源流と背景を辿る。小説や映画とへのつなぎ、著者が好きな実演にも触れられていて、歌詞研究がベースになっているけれど、歌ったり、踊ったり、作業したりする姿に思いを馳せている。

 木曜日、仕事の帰りに、北浜/南森町「雲州堂」での投げ銭ライヴに。二度寝での出演予定だったのが、事情で、浅見旬一さんソロになったということもあり、ひさしぶりに。16年前の『空と空の下』からも数曲。アルバムに入っていない曲も、心地よいはずの展開で、所在なさを醸し出すメロディが変わらずよいです。"I'm Only Sleeping" や "Cry Baby Cry"、"How Do You Sleep?" といったイヤゴトを歌うときのジョン・レノン節を思わせる曲でイヤゴトを歌うとか。
 きょうの投げ銭ライヴは二組で、そんなに小銭を崩さなくてもよかったのでした。二番目は、三味線、二胡、バイオリン、アコーディオン、カホンのインストゥルメンタルバンド、とりどり。アコーディオンのミニマルなフレーズに二胡がひとの声のように絡むかんじが面白かった。パーカッションは、ベシャベシャしたカホンより、ぽんぽんいうほうが合いそうな気がする。
 終演後は、いつものエミット・ローズ「サムバディ・メイド・フォー・ミー」(43年ぶりのアルバムのことを思うと、たまらん気持ちになります)、ハーパース・ビザール「ドリフター」などのオリジナル選曲BGMを聞きながら、浅見さんがエキストラ出演していた『ハッピーアワー』の話を、感想もそこそこに。「打ち上げに出なかったワークショップ参加者」役なのだけど、打ち上げの店には居られたそう。それは気付かなかった、というか、気付いたら寂しくなったかも。近くの店に居たら、たまたま打ち上げ組があとから来た、のだな、きっと。これは気付かれないように息をひそめるしかない。

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2016 Kijima, Hebon-shiki