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2016年2月14日〜2016年2月20日


2月14日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月14日】
 きのうの午後から今朝にかけて、荒天。早朝はまだ激しく雨が降っていたのに、本当に嘘のように止んだ。出かけない理由がなくなってしまった、けど、午後から訪問あり、結果的には出かけなくてよかった。

 きのうは、雨が予想されていたけれど、昼過ぎまで降っていなかったので、降ったら降ったときのことと、隣市のシネコンにトッド・ヘインズ監督『キャロル』を見に行った。着く寸前で降り出して、あわてて、後輪にはさんであったビニール傘を取り出そうとして、リング錠とタイヤの間に巻き込んでしまい、ダメにしてしまった。帰りは土砂降り。シネコンのある商業施設で、ビニール傘を調達しようとしたのだけど、なかなか見つけられず、あがったりさがったり。それでも、ま、ぼとぼとに。映画の余韻も何も。それ以前に、シネコンだから、見終わって出ると、他の映画を見ていたひとたちとすれちがうので、余韻を残す映画にはちょっと。

 『キャロル』。視線の物語でした。テレーズ(とキャロル)にとって遠いものや近いものが画面構成から伝わってくるようで、その中を視線が彷徨ったり屈折することなく、まっすぐ相手を探すところに、胸が詰まる思いがした。テレーズが、キャロルの家に招かれたとき、ビリー・ホリデイの "Easy Living" をピアノで弾いてみせる場面がある。恋に落ちたら、楽に生きていける、という歌詞は、でも、アイロニカルには響かない。困難が描かれているけれど、そこに焦点を当てるのはちがうだろうと思う。あと、車がとても印象的に描かれていた。そこには、近いものだけがあり、あたりまえで居られるから。

 シラ・ブラック "COMPLETELY CILLA" 内容整理の続き。3枚目の後半は、2月7日発売と、早すぎる先行シングルは"Surround Yourself With Sorrow"(23、25)と5月23日発売のフォースアルバム "SURROUND YOURSELF WITH CILLA"(26、19、24、28、20 / 21, 22, 4-1, 27, 18, 23)を収録。アルバムからは、さらに "Conversations"(4-1)と "Liverpool Lullaby"(3-18)がシングルとして発売されている(1969年6月1日)。アルバムの録音は、1968年7月から1969年3月まで。本作にも、ティム・ハーディン作品(3-17)が取り上げられている。他にも、二ルソン(3-19)、サークル(3-27)のカバーあり。イタリアンポップスとバカラック作品も。この時期の当時の未発表録音として、フランスのフォークグループ、トルバドールズ Les Troubadours のカバー(3-16)が収められている(1968年7月1日録音。初出は"THE ABBEY ROAD DECADE")。(続く)。

2月15日(月)
[一回休み]
2月16日(火)
[一回休み]
2月17日(水)
[一回休み]
2月18日(木)
[一回休み]
2月19日(金)
[一回休み]
2月20日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月20日】
 ひさしぶりに月から金まで休まずに勤務。作業もほぼ予定どおり。とりあえず宿題は全部提出した。反応がないものも多く、金曜日に提出したものも、ややこしい案件なので回答がすぐに得られるかどうかわからないけれど。宿題なのに、と思われるかもしれないので補足すると、改善要望は来るのだけど、原因を取り違えた対処療法のようなものであることがよくあり、大元の原因に立ち帰って改善案を作成すると、にわかには判断がつかないということになって。それで、原因と方針を説明しなければならないが、長くなってしまうと読んでもらえない。きのうの午後はLP片面1曲をシングル用にエディットしてリミックスするようなことをやってました。

 木曜日の夜には、若い友人からの嬉しい便り。二ヶ月先の話だけれど。何枠かなぁ。会社枠だと「なんで?」と思われるかもしれぬ。

 天気予報では午後からということだったけど、午前中からしとしと。午後からはざざ降り。図書館に本を返却しなければならなかったので、少しだけ雨の中出かけた。途中で、コンビニで、通販到着物の受け取り。
 届いたのは、ジョヴァンニ・ヴェノスタ&ソナタ・アイランズ Giovanni Venosta & Sonata Islands の"NIPPON ELDORADO KABARETT"。どこかのサイトを見ていたら、隅っこに表示されていたタワーレコード通販の広告枠(購入記録から推測した買いそうな商品を表示)に出ていて目が止まってしまい、youtubeで見てみたら面白かったので、というインターネットブルースな経緯で注文したもの。アフター・ディナー(5曲)、Wha-ha-ha(2曲)、仙波清彦&はにわオールスターズ(3曲)をカバーした2014年10月22日のTrentinoinJazz Festivalでのライヴ録音。レコメンから出ていたアフター・ディナーとWha-ha-haの他、はにわオールスターズのライヴ盤がソースになっているようです。レイ・チャールズがサザンの曲をやってる!というような例が身近にないので、つい。
 youtubeで見ると、マグマのカバーをやったり、エイミー・デニオと共演したりしており、ヘンリー・カウ人脈にも連なっているようです。キーボード、ギター、ベース、ドラムにフルートとヴォーカルを加えたアンサンブルは、オリジナルとは雰囲気が異なるけれど、基本的にはあまり変えてない、どころか、ヴォーカルのサラ・ストリーデさんは小川美潮さんの早口やニュアンスそのままやっていて、笑みがこぼれる。

 真実にどのもこのも無い、と言われるかもしれないけれど、追ったり探したりするのではなく、目の前の手頃なそれを好むひとが居ることを思うと、「真実はひとつ」とは言いにくい。「それは真実ではない」とも言わない。それ「も」真実だからではなく、真実と言うことに意味があるかどうかを気にしていないところで、真実について語っても、意味がないから。一面的であったり、断片的であったりすることを気にしていないひとには、どんな「真実」も一面的であり、断片的でしかない(そうであったとしても気付かない)。警戒心もない。ひたすら、「自分に優しい」ものを愛玩することになる。
 一面的で断片的な真実を好むひとは、ひとの努力に敬意を払わない。歴史にも敬意を払わない。必要ということを理解しない。結果だけをかすめ取って、歴史を証拠扱いして、「真実」として弄ぶだけだ。てなことを言っても、それが歴史というものであり、それのどこがおかしいのかと返されそうな気がするが。

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2016 Kijima, Hebon-shiki