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2016年2月7日〜2016年2月13日


2月7日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月7日】
 朝、ダン・ヒックスの訃報。知ったのは、トーマス・ドルビーがカバーした "I Scare Myself" から。最初ドルビーさんのオリジナルだと思い込んでいて、しばらくして、カバーだと知り、(自分にもドルビーさんのはまり具合にも)唖然として、ダン・ヒックスさんのレコードを聞こうと思ったのでした。この奇妙な曲が入口だったせいか、アメリカのノスタルジックなうんぬんかんぬんといった受け入れかたには馴染めず、情報を得ることに躊躇して、つっこんで聞くことがなかったことが悔やまれる。

 修理に出したものの電源スイッチ1個に7000円(キーボードユニット代)という見積もりに不条理なものを感じて思わずキャンセルしてしまったテキスト入力機「ポメラ」DM5を引き取りに、梅田に。しかし。結局、修理受付コーナー近くの売場にあった「ポメラ」DM100を購入することに。PCにすれば、という意見もあったのだけど、文章を打つこと以外にやりたいことはないし、価格面でも差があるので、「これでいいのだ」と開き直ることにした。

 例によって、書店、古書店、CD店をまわるも、いろいろ気が引けて、見送り。なんのために出かけてきたのだか。帰宅してから、西祐佳里展が梅田で行われていたことを知った。残念。

 行き帰りで、デイヴィッド・ボウイ、1976年ナッソー・コロシアムでのライヴ録音を聞く。いま年代順に聞いている途中で、きのう "THE MAN WHO SOLD THE WORLD" をひっぱり出してきたところだったので、ズルしたみたいなかんじですが、未聴の番外編ということで。これは、"STATION TO STATION" のDX版に2枚組で収められていたものだけど、なんとなく買いそびれてしまって、聞いていなかった。いまはプレミア価格がついてしまっているので、もはや手は出ないのだけど、Apple Musicで聞けるようになっていたので、ライヴ録音だし、いいかと。(さっきから誰に言い訳しているのだろう)。
 やはり "YOUNG AMERICANS"、"STATION TO STATION" の収録曲がいい。"STATION TO STATION" のタイトル曲も "Stay" も "Word On A Wing" も、スタジオ録音よりもざらついた音が混じっていて、いい。過去のレパートリーはアレンジし直されているけれど微妙なかんじです。性急さとファンクは合わないように思えて。びっくりしたのが "Panic In Detroit"。2回入っているので、アンコールか何かでもう一度演奏したのかと思ったのだけど、どうも演奏は同じで、最初のは短く編集されてるみたい、と思って、帰宅後調べたら、CDには編集されたものが入っていて、ファイル版で未編集のものがオマケで付いたということらしい。複雑。
 余談。聞き直すときに、自分で作ったRyko版ボーナストラック整理を参照していたら、ちょこちょこと誤字が。こそっと直しています。

 帰りに、自宅最寄駅に去年できたコンビニに寄り、通販で頼んでいたかもめ児童合唱団「トラベシア/三崎の歌」を受け取る。2009年4月22日発売の4曲入りEPで、一昨年、テレビドラマ『泣くな、はらちゃん』で知ったときには版元では品切れになっていた。中古盤。かしぶち哲郎の日本語詞によるミルトン・ナシメント作品のカバーは、動画投稿サイトにあがっていたコンサート映像でもハイライトになっていた。アルバムにも入っているのだけど、アルバムはちと持っているのには荷が重いと感じて、敬遠していた。EPが手に入って、よかった。ここに併録されている湯川潮音さんの「シェルブールの雨」は、新しいアルバムにも収められているみたい。
 それにしても、店頭だと、どこに置いているのだろう。J-POP? キッズ? アイドル、てことはないと思うが。町あかりさんがマルビルではアイドルコーナーにあることは少し驚きでした。

 受け取りに今回指定したコンビニには、イートインコーナーがあるのもありがたい。いつも受け取るだけでは申し訳ないと思うものの、買いたいものもそれほどなくて。少なくとも、コーヒーを飲みながら、届いたものを眺めることができる。今回は、雑誌「Pen」のスヌーピー特集も。ぱらぱらっとめくっていて、テレビアニメーション作品やヴィンス・ガラルディにも触れられていたのが決め手になって(甘いっ)。この雑誌の中途半端な資料性には微妙な後悔が伴うのだけれど。

2月8日(月) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月8日】
 金曜一日休んだ分のフォローが15時まで。予定していた作業をそれから定刻まで。予定していたのは、年末年始の出稿ラッシュに、申し訳ないことながら、中断していた改善(だから、緊急ではない)案件で、改めて問題点をさらって、指摘を再確認して、さて、と取りかかれるところまで。明日はまた休まなくてはならないのだけれど、水曜日の朝からは実作業にとりかかれるだろう。その日一日で片付けられれば、金曜日はまた気持ちよく休みを取ることができる。順調。それにしても、あれやこれや一日で済ませてくれればいいのに。きょうはさっきから、れれれれ、れれれれ言ってるな。

 きのうに引き続き、店頭で見つけられず、通販で頼んだものの引き取り。かもめ児童合唱団の、というのもきのうに引き続き。きょうは1月20日発売の新譜『インターネットブルース』。表題曲には、ネット通販を揶揄した歌詞が登場するので、なんだか申し訳ない…気になりかけるが、問題はそのことで見過ごされることがあるということにあり、見過ごさないためにはどうすればいいかを課題にすればいいのだ。この表題曲も、そうした方策になっているかどうか。

 『泣くな、はらちゃん』の「私の世界」と「初恋は片思い」、7インチで発売されたけど、数日で(実感)売り切れ(て買えなかっ)た坂本慎太郎「あなたもロボットになれる」が収録されている。ライヴ映像で歌われていて話題になったナイアガラトライアングル「幸せにさよなら」、EPに収められていた湯川潮音「シェルブールの雨」の他、高石ともや氏のレパートリーが4曲も収められていることが目を引く。小さな子供たちが歌うことで生まれるギャップを前提とした選曲を手放しで面白がりはしないけれど、「トラベシア」がそうであったように、この子たちの合唱で歌われることで、広々としたこだわりのなさが伴われて伝わってくるところもある。歌の良さを伝えている、ということを自負してもらえていたらいいのだけれど。

 編曲は菅原弘明と鶴来正基(既発表曲はそれぞれの作曲者)。というだけで、児童合唱団ものという枠からは外れる。演奏は、編曲者のプログラムしたものが主だけど、大木彩乃さんや伊藤銀次さんの演奏も入っている。高石ともやのレパートリー「陽気に行こう」「さよならが言えない」の2曲では、元葡萄畑の青木和義氏、元SPYの戸田吉則氏らのバンド、バンダ・プラネタリオが共演している。合唱団の子どもたちの名は記されていないけれど、なんらかの配慮なのだろうか。

2月9日(火) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月9日】
 きょうも仕事は休んで、家の用事。昼から、近くのバス停まで自転車で。置くところあるんかいなと思ったら、ロータリー状の停留所の一角に自転車置き場があった。知らなんだ。バスで居住市の中心部に行くのはひさしぶりです。夕方、用事が済んだあと、周辺を見て回る。駅からのスロープがものすごく延長されていたり、レコード店が撤退して以来もう二十数年足を踏み入れていなかった駅前ビルに、大きな書店が入っていることを知ったり。書店では発見記念ご祝儀として少し高めの読みたい本を買おうと思ったのだけど、そういうのに限って無い。残念。

 ざくっとした感じだけど、本も数年前に比べると、価格設定が上がっていて、躊躇することが多くなった。1500円見当が2000円、1800円見当が2200円、2200円見当が2700円から3000円といった具合。

 行く棚行く棚に居て、わたしが棚を見始めると苛立たしげに立ち去る若い男が居て(二度目で気付いた)、なんやねんなと思っていたら、どうやら立ち読みを続行するためにひとけのない棚に移動していたみたい。で、近くにひとが来ると逃げる、という。ちょっと観察してみたけれど、三度目やったらキレられたかもしれない。店員も気付いていただろうと思うけれど。

 またバスに乗って停留所まで戻り、それから通勤で利用している駅前のコンビニまで。また通販受け取り…。シラ・ブラックの5枚組+映像集 "COMPLETELY CILLA: 1963-1973"。シラ・ブラックはちゃんと聞いてみたいと思っていたのだけど、先日、廉価版5枚組シリーズの案内が来ていたのでそれにしよかなと思っていたところに、そんなに変わらない価格で収録範囲が広いこの「文庫版全集」が数年前に出ていたことを知って。廉価版5枚組に収められていない70年代のアルバムでポール・マッカートニーの "Junk" やジョン・レノンの "Oh My Love" を歌っていることもこっちにした理由。でも、カバーデザインがかっこよいことが決め手かな。ちょっと野暮ったい印象があるひとだけど、スタジオでマイクに向かって歌っている姿はとてもかっこいい。バカラック作品を多く歌っていることから、ダスティ・スプリングフィールドの庶民版のようなイメージもあるのだけど、サイモンとガーファンクル、二ルソン、エルトン・ジョン、ブレッドといったひとたちの作品を早々と採り上げていることが目を引く。

2月10日(水)
[一回休み]
2月11日(木) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月11日】
 なにごとかがある日の前日は心細いだろうと思うと、遅くに帰宅する気になれないので、そもそも出かけないということに。なにもなかったら行っていたというところはいくつかあったけど、シラ・ブラックの "COMPLETELY CILLA: 1963-1973" の収録内容についてメモを取りながら、相槌を打つ一日。

 "COMPLETELY CILLA" は、デモや別テイク、外国語で歌ったものを除いた(没になったものもあるけれど)きちんと録音した楽曲を録音時期順に収録したもの。アルバム単位ではないところは、ホリーズのものと同趣向だけど、アルバムをちゃんと聞いていない入門者には、きちんと世に出たものと世に出なかったものの区別がつかないのはきびしい。気分と言えば気分でしかないのだけど、シングルのA面はA面として、B面はB面とて、アルバムの1曲目は1曲目として(以下省略)聞きたい。という訳で、例によって、アルバム、シングル単位で整理し直した。7枚のアルバム、"CILLA"(1965年)、

 1枚目には1963年から1965年にかけての録音が収録されている。デビューシングル "Love Of The Loved"(3、2)が1963年9月23日に発売されているけれど、その年はそれで終わり。次が翌年1964年1月31日に発売されたディオンヌ・ワーウィックのカバー "Anyone Who Had A Heart"(4、5)で、これがイギリスではワーウィックのバージョンを押しのけての大ヒットとなる。とはいうものの、リリースが続く訳ではなく、64年は5月に "You're My World"(6、8)、7月に "It's For You"(9、10)が発売されたのみで、アルバムも出ていない。
 65年1月8日、シングル "You've Lost That Lovin' Feelin'"(21、11)の発売に続いて、アルバム "CILLA"(22、16、18、23、17、15 / 20、19、24、13、7、14)が1月25日に発売されている。アルバムには、大ヒットした "Anyone Who Had A Heart" を始めとする5枚のシングルからは1曲も収録されていない。発売時期はわからないけれど、アメリカでも、この年、アメリカで発売された唯一のアルバムらしい "IS IT LOVE?" が発売されている。"CILLA" からの7曲に、"Anyone Who Had A Heart" を含むシングル曲を3曲、イギリス未発売曲 "Heatwave" のカバー(12)を加えた11曲収録。65年は、その後、4月にランディ・ニューマン作のシングル "I've Been Wrong Before"(26、27)が出ているのみ。大人気という訳でもなかったのだろうか。
 1枚目には、その他に、1997年発売の3枚組ボックスセット "1963-1973: THE ABBEY ROAD DECADE" で発掘された当時の未発表録音が3曲収められている(1、25、29。ただし29は93年の"LOVE, CILLA" が初出)。1965年の未発表録音としては、2枚目にも7月と9月に行われたセッションから4曲が収められている(2枚目の最初の4曲)。10月から11月にかけてはアルバムの制作が行われている。

 2枚目には、1966年4月18日発売のセカンドアルバム "CILLA SINGS A RAINBOW"(11、12、10、9、1-31、1-30、5 / 16、7、8、13、6、1-28)を中心に、66年から67年にかけて発売されたものが収められている。まず、1月7日にシングル "Love's Just A Broken Heart"(11、5)が発売される。"Love Of The Loved"、"It's For You" と2曲のレノン/マッカートニー作品の提供を受けているけれど、B面で初めてビートルズ作品("Yesterday")をカバーしている。続いて、"Anyone Who Had A Heart" ヒットにあやかってか、やはりカバーではあるけれど、"Alfie" をバカラック自身のディレクションでシングル発売する(14、15)。
 アルバム "CILLA SINGS A RAINBOW" は1965年10月から11月の録音が主になっている。3月、7月の録音も入っているけれど、その3曲は発掘と言ってよいのではないか。タイトル曲の "Sing A Rainbow" のみ1966年2月と3月に、"Alfie" のB面 "Night Time is Here" と同じセッションで録音されている。"Sing A Rainbow" は、1955年の映画『皆殺しのトランペット Pete Kelly's Blues』でペギー・リーが劇中で歌う曲のカバーとのこと。この曲は、児童救済基金のためのチャリティキャンペーンのテーマソングにもなっている(オムニバス "STAR SING A RAINBOW" が1970年に発売されている)。
 1966年には、このあと、6月3日に "Don't Answer Me"(17、18)、10月14日に "A Fool Am I"(19、20)の2枚のシングルが発売されている。"A Fool Am I" のB面には、"Yesterday" に続くビートルズカバー "For No One" が収められている。
 2枚目の21曲目以降は、1967年の録音になるのだけど、きょうのところはここらへんで(続く、かどうかはわからないけれど)。

2月12日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2016年2月12日】
 火曜日に続いて、私事(説明と同意)のため、仕事を休んで、午前中からバスに乗り、居住市の中心部に。初体験いろいろ。待ち時間に老母といろいろとりとめなく話をしていたのだけど、「いろいろ話せてよかった」なんて云う。いつも話をしてないみたいではないか。日頃、居間ではヘッドホンしたままだし、横で声を聞いているだけなのにドラマの理解にはツッコむし、厄介なことは聞き流している風に見えるだろうし、思うところはあるのだろうと思うけど。ふだんの居間での会話は、テレビきっかけというのがよくないかもしれない。断片的で一面的な流しかたが多いので、それに対する反応に、ついツッコむかたちになってしまうから。

 夕方に帰宅して、近所のラーメン屋で(本日の)打ち上げ。食後、支払いがある(本当)し、改装されたコンビニがどんなになったか確かめたい(本当)ので、コンビニに寄ってから帰るわ、とコンビニへ。通販到着物を受け取る。デイヴィッド・ボウイ "DAVID LIVE: DAVID BOWIE AT THE TOWER PHILADELPHIA"。1974年の北米ツアーを記録したライヴ盤で、これはRykodisc版も内容に満足できなくて買っていなかったのだけど、CCCDで発売されたため、内容も確認しないで見送った2005年のEMI版が、通常仕様でParlophone名義でワーナーから再発されていたとは知らなかった。しかも、内容を確認したら、Rykodisc版で物足りなく感じていたことが改善されているではないか。シングル "Knock On Wood" のB面に収められていた "Panic In Detroit" が入ってる。新たに "Space Oddity" が発掘されている。Rykodisc版で発掘された "Here Today, Gone Tomorrow" と "Time" も、演奏順に組み入れられている。知らなかった。
 CCCDの忌避は、感情論と受け取られるかもしれないけれど、事実上はともかくとして建前として「かかることを保証しない」仕様でそれなりの価格のものを売ることを許容できなかった、のでした。事情を察して無理筋を許容するのが頭の良さや度量の広さの証明になると思っている節にも抵抗があった。
 Rykodisc版のボーナストラックもかなり成仏してきているので、己が供養ページも追補しやんとなとは思っているのだけど、最初に作るときの目配りが改訂のときにはなかなか保持できないので、合間を見てという訳にはいかないのが悩ましい。

 シラ・ブラックが去年の8月に亡くなったことは知っていただろうか。去年は(これからもだろうけど)音楽を聞き始めてから長く親しんできたひとの訃報があまりに続いたので、ことさら触れないようになっていったので、記憶が曖昧になっている。それに、そんなには知らないひとについて、亡くなったからと触れるのは失礼だとも思うので、レノン&マッカートニー提供曲とバカラックのカバーくらいしか聞いていないシラ・ブラックについては触れないようにしたかもしれない。いずれにしても、書いておかないと記憶が曖昧という時点で問題があるような気がするが。

 シラ・ブラック "COMPLETELY CILLA" 内容整理の続き。2枚目の21曲目からは1967年録音。1967年6月2日発売のシングル "What Good Am I?"(26、27)と発売月不明のEP "TIME FOR CILLA"(21、22、24、23)。シングル2枚を1枚に収めた4曲入りEPは他にもたくさん出ているけれど、"TIME FOR CILLA" は、4曲ともこの盤が初出。25曲目は、"THE ABBEY ROAD DECADE" で発掘された1967年4月16日録音の未発表録音。
 1967年8月から12月にかけてサードアルバム "SER-OO!" の録音が行われている。8月27日にマネージャーのブライアン・エプスタインが亡くなっているからか、9月には録音は行われていない。このあたりから、編曲や指揮に元マンフレッド・マンで、67年7月にはビートルズの "All You Need Is Love" で指揮を担当していたマイク・ヴィッカーズが参加している。シングル用なのかアルバムセッションからのピックアップなのかわからないけれど、マイク・ヴィッカーズがディレクションを行ったシングル "Only Live To Love You"(3-4、3-6)が11月17日に発売されている。B面の "From Now On" に11月21日録音とあるのは誤記みたい(次の曲 "I Couldn't Take My Eyes Off You" とクレジットが全く同じになっている)。

 3枚目は、1968年4月8日発売のサードアルバム "SER-OO!" と1969年5月23日発売のフォースアルバム "SURROUND YOURSELF WITH CILLA" が中心。1968年に入ると、まず3月9日にレノン/マッカートニー作品のシングル "Step Inside Love"(13、15)が発売され、その一か月後の4月8日、"Step Inside Love"(13)を含むアルバム "SER-OO!" が発売されている(1, 5, 3, 10, 2-28, 2 / 9, 12, 13, 8, 7, 2-30)。シングル曲がオリジナルアルバムに収録されるのは初めて。またバカラック作品のカバー "What The World Needs Now Is Love" は、"Across The Universe" を収録していることで知られるチャリティアルバム "NO ONE'S GONNA CHANGE OUR WORLD"(1969年12月12日発売)の2曲目にも収録されている。ティム・ハーディンやビリー・ジョー・ロイヤル(ジョー・サウス)、スキップ・ビファティのカバーが目を引く。同セッションのアウトテイクとして、やはり "THE ABBEY ROAD DECADE" で発掘された "All My Love"(2-29)が収められている。
 6月7日、シングル "Where Is Tomorrow?"(14、15)発売。B面は、イギリスでは同日に封切られた主演映画 "WORK IS A FOUR LETTER WORLD" の主題歌。この映画は、音楽をガイ・ウールフェンデンとデリア・ダービシャーが担当していることからも見てみたいのだけど、ほとんどめかくしテストの如く、曲名も何も見ないで聞いていて、曲におおっとなってしまった。で、確かめてみたら、スミスがやっていた曲だった。スミス版が耳に残っていたからひっかかったのか、そういう曲だからスミス、というかモリッシーがカバーしたのかはいまとなっては定かでない。スミスのことはよく知らないということもあるけれど、シラ・ブラックの曲をカバーしているとは知らなかったので、スミスの曲として聞いていた節はある。今回いろいろ読んでみたら、ジョニー・マーがこの曲を演奏することに耐えられなかったのが解散の一因らしい(マー脱退前の最後の録音)。いい曲だと思うし、ガールポップということで言えば、カースティ・マッコールのアルバムにマーは参加しているから、イメージとしての「シラ・ブラック」を嫌悪していたのでは、とも推測する。同曲は、シングル用の録音よりも前に行われた映画用の録音も "THE ABBEY ROAD DECADE" で発掘され、ここにも収められている(11)。
 3枚目の16曲以降はアルバム "SURROUND YOURSELF WITH CILLA" 関連だけど、きょうはここまで。

2月13日(土)
[一回休み]

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2016 Kijima, Hebon-shiki